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季刊誌 駒木野 No.178

季刊誌 2017.08.30

駒木野病院の向かうところ

院 長 菊本 弘次

今年度も、多くの仲間たちを迎えて駒木野病院の28年度も始まりました。新人の皆さんはどのような思いで 4か月を過ごされたのでしょうか。すんなり適応できたと感じている方もいるでしょうが、多かれ少なかれ戸惑いや不安も感じられたのではないでしょうか。自分に何ができるか。自分は成長できているのか。自分の仕事に誇りを持てるか。利用者に良質なサービスを提供できているか などなど。でも、相談に乗ってくれる頼もしい先輩や仲間がたくさんいるのが駒木野病院です。さらに言えば、駒木野病院そのものが、これまでも精神障がい者の回復を支援するために何ができるか、地域社会にどんな貢献ができるかを、ある意味で悩み戸惑いながら、それでも前向きに挑戦し歩んできた病院です。
現在、駒木野病院では管理会議メンバーを中心に「将来検討委員会」を開催しています。委員会の目的は「駒木野病院だからこそできるサービス」とは何かを検討し、それを充実させるための方法論を検討することです。まだ具体的な詳細をお示しする段階にありませんが、従来以上に地域に密着し信頼されるために「病院キャンパスを超えたサービス」の推進役となる事業を検討しています。期待してお待ち願います。
今年は酷暑になると聞いております。そんな折ですが、現在、E2病棟の改修工事が行われています。改修目的は悲願ともいえる個室の新設と隔離室の改修です。工事期間は10月半ばまでを予定しております。その間、利用者の皆様や職員の皆さんには大変なご不便や不自由をおかけします。この場をかりてご報告するとともにご理解を願う次第です。
最後に、7月26日未明に津久井やまゆり園で衝撃的な事件が発生しました。犠牲になられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

SSK地域活動実績(2016.4-6)

4月
【地域連携】
5日(火)多摩病院新棟内覧会:山口
12日(火)包括支援センターとのキャラバン隊1年間の振り返りと今年度の活動計画話し合い:SSK山口と高齢者医療センタースタッフ他
28日(木)病院見学会(訪問看護ステーション対象)&意見交換・事務連絡会議:院内担当者
【本人・家族支援】
1日(金)いっぽの会茶話会(レディスデイ)
15日(金)いっぽの会茶話会
16日(土)友遊会
【その他】
退院準備プログラム「てくてく」開始、ピアスタッフ参加

5月
【地域連携】
24日(月)包括医師相談(田Dr)
25日(火)病院見学会
【本人・家族支援】
6日(金)いっぽの会茶話会(レディースディ)
14日(土)ファミリープログラム➀
20日(金)いっぽの会茶話会
21日(土)友遊会
25日(金)元気のひろば
26日(土)サポートグループ
【その他】
13日(金)新人研修の一環で教育・研究委員会が主催し、SSKの機能を紹介しより活用頂く為の研修を開催。
同日、多摩棕櫚亭協会を利用されている当事者の方々の勉強会にてSSK山口が障害年金の話をする。

6月
【地域連携】
12日(日)国立シュロの会
15日(水)わかくさ家族の会でSSK山口が、障害年金の話や精神障害者が利用できる制度・サービスなどの講和
22日(水)わかくさ家族の会のカフェ訪問(山口・真嶋)
27日(月)地域子ども支援ネットワーク会や八王子高齢者救急医療連絡会にSSK山口と院長・二瓶・小原と参加
【本人・家族支援】
3日(金)いっぽの会茶話会(女性限定)
11日(土)ファミリープログラム➁
17日(金)いっぽの会茶話会
24日(金)元気のひろば
28日(火)なんでも相談会(看護・PSW・SSK)
30日(木)本人・家族のための成年後見学習会(友遊会共催)弁護士の長谷川先生にお越しいただき、事例も交えて分かりやすく説明していただく。ご本人・ご家族中心に30名を超える参加者。
【その他】
SSKに地域実習ということでOTの学生さんが2週間実習受け入れ。

特集 アルコール総合医療センター

アルコール総合医療センター 副センター長 宮脇 真一郎

平成25年6月より、院内のクラスター部門の一つとして「アルコール総合医療センター(ALMeC)」がスタートしました。当初からの専属スタッフは入れ替わりがありながらも、病院スタッフの方々、地域の医療関係者の皆様、AAや断酒会をはじめとする当事者団体の皆様方に協力・サポートしていただきながら、無事に3年目を迎えることができました。
アルコール治療病棟という治療の枠組みを外し、様々な病棟でアルコール治療ができる形をとり、利用者さんだけでなく医療スタッフに対するサポートも含めて、 ALMeCの専属スタッフがリエゾン的に関わる形で医療を行っております。専属スタッフがご本人との面談や、病棟のカンファレンスや個別のケース会議に参加しながら支援関係を構築し、外来治療に移行しても継続的に一貫した支援ができる仕組みとなっています。病院全体でアルコール医療に取り組む形をとるようにしたこともあり、病院スタッフを対象とした動機づけ面接の研修会やアルコール医療勉強会を開催し、スタッフ一人一人のスキルアップを目指しています。
アルコール問題が軽症から重症の方、そして男女や年齢に問わず、様々な方に利用していただいております。このような変化に対応すべく、週3回のアルコールデイケアや女性プログラムの立ち上げも行ってきました。またご本人に対する治療・支援は当然なことながら、ご家族に対する支援にも力を入れています。ご家族の個別相談や、家族のコミュニケーションスキルを向上させていくためのCRAFTプログラムを立ち上げました。
近年、徐々にアルコール問題に対する関心が寄せられてきており、ALMeCには教育・予防も含めて教育・研修や相談の依頼が多くきています。ふくしまこころのケアセンターとの被災地におけるアルコール問題に対する取り組み、バス会社からのご依頼によるドライバーに対する減酒教育などが代表的な例です。
このようにアルコール問題が多岐にわたるように、アルコール問題を抱えた方々への治療・支援も多岐にわたっており、院内の多職種連携のみならず、地域の関係機関との連携が必要となる機会も増えてきています。「不適切な飲酒の防止によって、健康障害と関連問題を防止する」を基本理念とする「アルコール健康障害対策基本法」という法律が平成26年6月に施行され、国の基本計画が平成28年5月31日に閣議決定し、平成28年6月より都道府県レベルの推進計画の策定という形におりてきています。それぞれの地域の実情に照らし合わせた形の推進計画が作られ、以前よりも地域連携はやりやすくなってくると思われます。アルコール問題の多様性を考えると、ALMeCだけ、医療だけではどうにもならないことも多くあります。様々な関係機関と連携をとりながら地域のアルコール医療の充実を目指していきたいと思っておりますので、引き続きご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

アルコール総合医療センターの活動紹介

アルコール医療勉強会

アルコール総合医療センターがスタートしてから、病院全体でアルコール医療を提供していくシステムに変わりました。駒木野病院に在職しているスタッフは必然的にアルコール医療に関わっています。時代や社会システムの変化に対応したアルコール医療を提供していくためには、柔軟にいろいろな意見を取り入れていく必要があると考えています。今年の6月より院内においてアルコール医療勉強会を開催しています。座学によるアルコール医療の知識を得てもらうことと、現場からの率直な疑問などを出していただき、活発な意見交換ができることを目的としています。

動機づけ面接

動機づけ面接は、患者様自身が持つ変化の動機と決意を強める協働的な会話スタイルです。患者様の両価性を扱いながら、望ましい望ましくないという治療者の意見を棚上げして患者様の言動を引き受ける。そして言外の要望や感情、価値観を正確に理解し、明確な言葉で共有する。また、特定の方向に向かう言葉、チェンジトークを患者様が明確に口に出して説明することを手助けする。チェンジトークを選択的に強化することによってチェンジトークを増加させていく。そうすると、患者様はどうなっていくでしょうか?動機づけ面接の理論は比較的簡単であり、演習をとおして身につけることができます。

ふくしま心のケアセンター 地域アルコール対応力強化事業(相双地区モデル事業)

平成26年7月より福島県の被災地支援の中でアルコール関連問題に関わる事業のお手伝いをさせていただいています。なぜ、駒木野病院が関わっているのだろうと疑問に思われる方もいるかと思います。看護師の求人で福島医科大学の看護学部の先生とのつながりがあったことが関わるきっかけになりました。ほんの小さなつながりから、アルコール医療を通して少しずつ形になっていくことを2年間の中で感じとることができています。また、アルコール関連問題は全国津々浦々、どこにでもある問題であるということを身に染みて感じています。今後も継続して活動を続けていきたいと考えています。

こころのバリアフリーを考える  こまぎのフェスティバル2016開催決定!


昨年のイベントでは、多くの皆様にご来場いただき楽しい1日を過ごせたこと、職員一同心より感謝申し上げます。さて、今年のフェスティバルでは、メインテーマを「こころのバリアフリーを考える」と致しました。 当日は、隣接する高尾駒木野庭園とも共催でイベントを開催させて頂きます。また当院の会場内では基調講演会やスポーツイベント、様々な参加型の企画など、子どもから大人まで楽しみながら参加できるイベントを沢山ご準備しております。当院のWEBサイト(8月中旬を予定)に、詳細なイベント情報を掲載してまいりますので、是非ともご覧ください。

日 時:平成28年9月25日(日)10:00~15:00 雨天決行      
場 所:駒木野病院 高尾駒木野庭園
内 容:当院のWEBサイトをご覧ください。(8月中旬より掲載)
問合せ:こまぎのフェスティバル実行委員会 代表042-663-2222

駒木野病院野球部 三多摩病院野球連盟春季大会 1部リーグ優勝!

開催日:2016.4.29 (水)昭和の日 場所:八王子市 滝ケ原運動場野球場

野球部 山下 俊弥

4月29日晴天の下、恒例の野球大会が開催されました。絶好の野球日和で、全員怪我なく、無事に終えることができ、成績も1部リーグで3年ぶりの優勝という華々しい結果を残すことがきでました。秋の大会は1部リーグへのV2を目標に頑張っていこうと思っております。
しかし、我々野球部は慢性的に部員不足、高齢化の問題を抱えております。野球経験の有無に関わらず、随時部員募集しております。また、野球を観るのが好きという方!!マネージャーも随時募集しております。一緒に勝利の美酒を味わいましょう。