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季刊誌 駒木野 No.194

季刊誌 2023.01.05

新年度にあたり

理事長 菊本 弘次


春雨というには冷たすぎる雨模様でしたが、医療法人財団青溪会では令和4年4月1日、予定通り入職式を開催しました。事前のPCR検査で全員陰性という結果をえて晴れて参加した21名の新規職員の皆さんは、マスクとフェイスシールド越しでしたがしっかりと輝いていました。
今年度を迎えるにあたり、当法人における最大関心事の一つが精神科救急入院料の動向にありました。平成30年度および令和2年度の診療報酬改定において、精神科救急入院料算定病床数は上限を設定され、本年3月31日以降は上限を超過する病床数を削減されるとされていました。駒木野病院では該当する超過病床は2床であり、概算で2000万円強の減収が見込まれていました。蓋をあけてみれば、令和4年度診療報酬改定案では精神科救急入院料は精神科救急急性期入院医療料と名称を変え、精神科病院の病床規模案分(総病床数の2割)の上限設定はなくなり否応なしの救急病床削減は免れました。しかしながら従来の精神科救急入院料と同等の報酬が得るには、加算項目という更なる高いハードルが課せられ、結果的に想定以上の減収を覚悟しなければなりません。今更、異を唱えるつもりもないですが、診療報酬改定は医療機関において最も重要な舵取りであり、今後も施策の整合性が保たれることを願っています。
さて新型コロナであります。東京都では緊急事態宣言も蔓延防止措置も解除されていますが、令和4年4月現在、駒木野病院の感染対策段階はレベル3より下げることは出来ません。当法人に限ったことではありませんが、駒木野病院はじめ青溪会各事業所は多大なストレスを受け続けています。私自身なによりも実感するのは、感染対策の徹底を維持しつつ、青溪会の重要なテーマ「職員同士や地域社会とのつながりを大事に」を実践し続けることは、決して容易ではないということです。
令和4年度、駒木野病院および各事業所は令和3年度の事業体制を踏襲し、現行のシステムやサービスのブラッシュアップを図ってまいります。職員のストレスを軽んじるつもりは毛頭ありませんが、青溪会職員は、どの医療機関にも引けをとらない高い職業意識と技術を兼ね備えていると自負しています。「夜明け前が一番暗い」と言い聞かせ、青溪会は「青溪会らしさ」であるチームワーク力を発揮してこの難局を乗り越えていきたいと考えています。

2022年度 医療法人財団青溪会 入職式


令和4年新卒採用は、合同就職説明会や採用面接試験もすべてオンライン開催となり、中には入職式当日に初めて駒木野病院に来られる方もおりましたが、無事令和4年4月1日に入職式を執り行う事ができました。
医師4名、看護師15名、看護補助1名、精神保健福祉士1名、事務1名の計22名が医療法人財団青溪会の職員として採用されました。

Welcome to daycare !

皆さまこんにちは。デイケアの看護師五島です。
新人さんはじめ、皆さまにデイケアを少しでも知って頂く機会になればと思い、デイケアの記事を掲載させていただきます。
デイケアの活動場所はご存じですか?なかなか来る機会が無いですよね。体育館はお分かりかと思いますが、その階下で運営しています。(あ~あ~そこでやっているのね!と覚えて下さる事でもまずは第一歩!)
私事ですが、一昨年の3月に病棟から異動となり早2年が経過しました。長年病棟で勤務してきた私は地域連携に際して知識不足を痛感する毎日ではありましたが、スタッフやメンバーさんにも(ここ大事!)支えて頂きながら今日に至ってます。

デイケアのスタッフは、精神保健福祉士・作業療法士・看護師の3職種で構成されており、職種も違えばもちろん性格も違う、個性豊かなスタッフ達(もちろん私もそうですかね・・)と机を並べ、日々メンバーさんに居心地の良い、安心できる場の提供が出来るよう工夫を重ねています。
新型コロナウイルス対策を考えながらも、昨年度はキッチンカーの手配を行い、イノシシカレーを食べたり、一週間開催のシャーベット週間、夕方開催の花火大会、クリスマス会、カレンダー作り、そして右側に掲載のレトロポップ展など実行委員をメンバーさんから募り、スタッフと一緒にいろんな事にチャレンジしてきました。
また、グラウンドに続くデイケアの花壇をご覧になった方はいらっしゃいますか?これもメンバーさんと一緒に冬に植えた花々が現在咲き乱れています。入院中の患者様の散歩中の癒しになれば幸いです。
まだまだ続くコロナ禍の中、今後もスタッフ自身がワクワクするような企画を考え、メンバーさんとワクワクした過ごし方を計画中。どんな一年が待っているかこうご期待・・・
健康に留意しながら元気にデイケア運営を行っていきますのでぜひ機会がありましたらデイケアを覗いてくださいね!!

第3回レトロポップ展(2022/3/7~12) 開催
~Day care In Wonderland The Space of Spring~

今回は、デイケアメンバーで実行委員会を作り、デイケア入口の倉庫を掃除したり、日常から絵を飾れるスペースを作ったりと準備を重ねてきました!入口倉庫では「春の宇宙」」をテーマに、デイケア内ではフリーテーマの作品や「幸運を呼ぶアートコンテスト」を行い、幅広い年齢層の作品が集まりました。感染対策の都合もあり閲覧できるのはデイケアメンバー中心と少数の院内スタッフのみとなりましたが、こじんまりと楽しむのもいいけど・・せっかくやるなら今度は院内外の人達と楽しめたらいいななんていう感想です。戦争や感染のニュースも日々続いていますが、それぞれの内側の宇宙にスペースを感じながら、今いる場所でできる事をじっくりすることの大切さ・・を改めて感じました。

メンバーさんに描いてもらったスタッフの似顔絵



2022年度 看護部 新入職者研修

新人へのメッセージ

看護部長 鬼塚 愛彦


依然としてCOVID-19対応中で、状況・状態に応じて、可能な限りのエビデンスに基づき、全職員で知恵を出し合い、互いを支えあい、集中して、日々の業務に取り組んでいます。
感染対策は大変ですが、下線部分は医療者またチームにとってモデルとしたい行動過程です。約2年間、この強化が続いているということは、つまり、青溪会の持ち味であるチーム力が以前よりも向上しているということです。
安心して、みんなで前進していきましょう。

座学だけではなく、様々な実践研修も実施。
皆真剣に講義に臨んでいる様子だが、グループワークでは活発な議論と時折笑顔も見られ、終始明るい雰囲気で行われた。

新入職者研修の振り返り

看護師 藤原 早希

新入職研修を通して、看護職としてこれから必要とされる基本的知識や技術について多くの学びがあったが、その中でも特に三つの学びがあった。
一つ目は、感染予防対策などの安全対策の徹底である。精神科の特徴として患者様の理解度により自身で予防を行うことが難しい場合があると学んだ。このことから、患者様や自分を含めた周りの安全と健康を守るためにも、感染予防、安全対策は一人一人が意識して徹底していくことが不可欠であるという意識がより強くなった。
二つ目は専門職業人としての自覚を持って業務を行う上での、接遇やマナーの重要性である。患者様やその家族、先輩方や他職種の方々など、多くの人と連携して医療にあたる際、お互いが気持ち良いと思い合える関係性が大事であり、それを築く上でとても重要な基礎となるのが接遇やマナーであると感じた。
三つ目は患者様と看護師間の信頼関係の築き方である。患者様一人一人の症状に合わせた関わり方やセルフケアの維持、向上に向けた援助を行うことも大切であるが、それだけではなく精神症状や薬の副作用からくる身体症状をフィジカルアセスメントを通して観察する技術を磨いていくことで、より質の高い看護に繋がり、更なる信頼関係の向上にも繋がると感じた。

編集後記

西洋占星術では約200年間続いた「目に見える形ある物、所有を求めることが重要視される土の時代」から「情報、知識など形ないもの、個人を重視する風の時代」に変わったと言われています。テレワークなど場所を制限されずに働け、車を所持せずカーシェアリングする人も増え、不要なものを処分する断捨離といったよく聞く言葉からも「風の時代」の雰囲気を感じます。「土の時代」を過ごした私には、コロナ渦における社会の変化に興味を抱き、新たなことを少しずつ受け入れているものの、まだまだ時代に溶け込むまでには時間がかかりそうです。
この「風の時代」これからどう変わっていくのでしょう。

看護副部長 岸 珠江